ヒト前立腺における酸性フォスファターゼの電顕的局在
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概要
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ヒト前立腺には多量の酸性フォスファターゼ(以下ACPase)が存在していることは広く知られている.しかし,ヒト前立腺腺上皮細胞における電顕的局在を明らかにした報告は少ない.ヒト前立腺におけるACPaseの局在をGomori法を用いて電顕的に観察した.ACPase活性は細胞底部および核上野におけるライソゾームに認めるとともに,核周囲に存在するゴルジ装置にも認めた.さらに特徴的なことは,ACPaseの局在が多胞体にも認められたことである.電顕的および組織化学的研究により,細胞頂部の細胞膜よりメロクリン分泌により,これらの小器官が分泌されることが認められた.すなわち,今回の電顕組織細胞化学的研究により前立腺腺上皮細胞のACPaseには,ライソゾーム性の自家消化にあずかるものと,分泌性のものの2種類のACPaseが存在することが観察された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文