不完全尿管閉塞における閉塞中および閉塞解除後の腎機能の経時的推移に関する研究
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概要
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ポリプロピレンカテーテルを利用した閉塞子で尿管口を閉塞すると,長期間持続する中等度の実験的水腎を作成することが可能である.予め作成しておいた分腎尿採取モデル犬に,前述の方法で不完全尿管閉塞を惹起せしめ,閉塞7週間,さらに解除後7週間にわたって分腎機能を測定し,健常対側腎をコントロールとして閉塞腎における腎機能の推移を観察し,つぎの結果を得た.(1)閉塞中のglomerular filtration rate(GFR)は,健常対側腎の41〜48%を維持し,解除すると7週間後には84%まで回復した.(2)renal blood now(RBF),尿量,カリウムおよび浸透圧物質の排泄は,全期間を通じてGFRと同様に推移した.GFR,RBFおよび浸透圧物質の間には著明な相関がみられた.(3)閉塞中のカリウム排泄障害の程度は解除後の腎機能回復の程度と良く相関する.従ってカリウム排泄は回復能の予測に有用な指標となり得る.(4)閉塞腎のナトリウム排泄は,他のパラメーターとは異なった動態を呈し,健常対側腎においてもナトリウム排泄が抑制されている可能性が示唆された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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