泌尿器科領域における尿中ferritinの研究 : 第1報 基礎的検討および各種疾患における尿中ferritin値
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概要
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泌尿器科疾患患者285名に対し,2-site immunoradiometric assayによる尿中ferritin測定を行い,検討の結果以下の如き成績を得た。1)本法の回収率は97.9±5.05%であり,intraassay variance9.3%,interassay variance 11.4%であった。 2)日内変動に関しては午前10時頃にやや上昇を認めたが,明確な日内変動はみられなかった。さらに24時間尿と一回尿のferritin値にはほとんど差がなく,一回尿測定で臨床応用は充分である事が考えられた。また 血尿,感染尿と清澄尿との間に有意の差は認められなかった。3)血清Fe,TIBC,血清ferritinと尿中ferritinとの間に密接な関連性はみられず,これら血清因子の影響をほとんど受けない事が判明した。4)良性疾患の大部分は30ng/ml以下であったが,糸球体腎炎,腎孟腎炎,上部尿路腫瘍では著明に尿中ferritinの上昇を認めた。この事より,尿細管細胞の傷害も尿中ferritin増加に何らかの役割を果たしている事が示唆された。
著者
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大森 弘之
岡山大学医学部泌尿器科学教室
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大橋 輝久
国立岩国病院
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松村 陽右
岡山大学医学部泌尿器科学教室
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東条 俊司
福山鋼管病院
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東條 俊司
滝宮総合
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広中 孝作
国立岩国病院研究検査科
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東條 俊司
国立岩国病院泌尿器科
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大森 弘之
岡山大学医学部泌尿器科
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