CAI研究の可能性と今後の課題 : パラダイム論の観点からみたCAI設計思想の転換をめぐって
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概要
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これまでのわが国のCAI研究を中心に,その基本構成であるハードウェア,ソフトウェア,コースウェア,プログラム評価などの分野別に,すでに専門的立場からレビューがなされ,展望が与えられた(堀ロ秀嗣,岡本敏雄,中村紘司).それらに続いて,本稿では,CAIが教育学的にも学習者の学習環境として望ましい位置を占めうるような,CAI研究の今後の可能性と課題を探ることをめざした.この作業にあたって採用したのは「科学のパラダイム変換」の視座である.それによれば,古典的・伝統的なCAI研究は,行動科学や行動工学にみられるように,行動訓練パラダイムに支配されるという限界があった.これに対して,認知発達パラダイムヘの変換にともなって,最近では認知科学や知識工学が登場してくるとともに,CAI研究においても,新たな人間観・学習観に立って,従来のCAI研究の設計思想を大きく転換する可能性があることが,主として外国文献を中心としたレビューによって,展望された.
- 1983-03-20