関東山地跡倉ナップのペルム紀ホルンフェルス(古領家帯と黒瀬川帯の構成要素と改変過程)
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概要
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跡倉ナップのペルム紀石英閃緑岩に貫かれるホルンフェルス(風口層)は, 石英長石質の砂岩泥岩細互層を原岩とする.全岩化学組成は, SiO_2・Fe_2O_3・CaO・Na_2Oが高くAl_2O_3・K_2Oが低い.風口層の化学組成は苦鉄質成分に富む点で南部北上帯の古生界の特徴と似ているが, SiO_2・Al_2O_3・Na_2Oの量では異なっている.ホルンフェルスの鉱物共生には緑泥石・緑泥石-黒雲母・黒雲母の3つの鉱物組み合わせがある.カリ長石が出現する一方, 白雲母・菫青石・Al_2SiO_5鉱物は出現しない.ざくろ石にはコアがFe・Mnに富みCaに乏しい累帯構造をもつものがあり, コアは550〜570℃の変成温度を示す.接触変成後の弱変成作用による黒雲母の酸化緑泥石化・斜長石のカリ長石化が認められるが, 接触変成以前の広域変成作用を示す証拠は認められなかった.K_2Oに乏しい砂泥質変成岩で白雲母が生じない例は知られていたが, 白雲母が生じずにカリ長石が生じている例は初めてである.
- 2000-03-15
著者
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