瓦屋根の破損からみた神戸市長田区〜北区における1995年兵庫県南部地震による被害分布
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概要
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兵庫県南部地震では震度7に達した表六甲側に限らず, 六甲山地〜裏六甲地域でも多くの家屋に被害が見られた。本稿では神戸市長田区〜北区および三田市南部地域について, 被害程度の指標として屋根瓦に被害のあった家屋の比率をもとめ, 地質・地盤と被害程度の関係を検討した。瓦破損の程度は地質によって異なり, より新期の地質からなる地域ほど高い。たとえば神戸市長田区北部で見ると, 白亜紀花崗岩からなる山地部で大きな被害はなく屋根瓦の破損率は16%以下, 神戸層群地域で25〜45%, 大阪層群地域で36〜91%, 沖積低地で57〜95%の値を示す。これらの地質条件に加え人工的な開発の影響も大きく, かつてのため池や谷部を埋め立てた部分およびその周縁部では特に瓦屋根の破損や倒壊家屋が多くなる傾向がある。今後の地震対策に際しては, その地域の地盤条件として, その風化程度や宅地造成などに伴う地形改変の影響も評価する必要がある。
- 1998-03-24
著者
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