火星のテクトニクス
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
惑星テクトニクスの分野は30年以上も前, アメリカ合衆国と旧ソ連邦の間の冷戦と月へのレースの結果生まれた。火星のテクトニクスの初期の研究は70年代のマリナー9号とヴァイキング1,2号によって収得された軌道からの画像, それに地形と重力のデータを使って行われてきた。火星には地球型のプレートテクトニクスを示す証拠はないが, 惑星規模で働いた一枚プレートテクトニクスがあった可能性がある。赤道地帯に存在する巨大な溶岩台地であるタルシスがどのように支えられているかについては多くの研究がなされてきた。タルシスの応力場モデルと観察される地溝やしわ状峰群などの構造地形の比較に基づいて, タルシスはアイソスタシーとリソスフェアのたわみによって支えられていると仮説されている。全長4000 kmにも及ぶ峡谷の集まりであるヴァリスマリネリスとオリンパス山のような巨大な盾状火山についてもテクトニクスの面から議論された。
- 1998-07-31