中部九州白亜系赤色岩の堆積岩岩石学的性格
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概要
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中部九州白亜系赤色岩について岩石学的, 鉱物学的, 地球化学的検討を行い, その成因を考察した。赤色原因物質は赤色岩の砕屑粒子間を充填する極めて細粒の赤鉄鉱で, これは周辺の古期岩類中の鉄鉱物, 含鉄珪酸塩鉱物に由来する鉄成分から形成されたと推定される。淡水域, 一部汽水域の堆積盆地に供給された鉄は酸化環境で酸化第二鉄として保存され, 続成過程での脱水作用を経て最終的には赤鉄鉱化したのに対して, 浅海域に運ばれた鉄は還元されて水中に溶解し, 堆積物の赤色化に寄与しなかった。当地域の赤色岩形成にとって後背地から堆積盆地への鉄の供給と, それが還元されずに堆積物中に保たれるための地表近くの酸化環境とが重要な要因で, 中国大陸南部やインドシナに認められる蒸発岩を形成した高温乾燥気候は九州の赤色岩形成には少なくとも主要な役割は果たさなかったと考えられる。
- 1997-06-30
著者
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中牟田 義博
Department of Earth and Planetary Science, Faculty of Science, Kyushu University
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三木 孝
九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門
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三木 孝
Department of Earth and Planetary Sciences, Kyushu University
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三木 孝
Department Of Earth And Planetary Sciences Kyushu University
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中牟田 義博
Department of Earth and Planetary Sciences, Kyushu University
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