流体の移動に伴う火山性微動の発生モデル
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概要
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本論文では, 火山性微動の可能なメカニズムとして, 圧縮性のある粘性流体が複数個の障害物がある通路内を一次元的に流れたときに生ずる振動について調べた。障害物はある臨界圧力で開閉する。このモデルはHonda and Yomogida (1993)のモデルの拡張である。通路は平行平板で囲まれているものを考えたが, パイプ内の流れに対しても結果が適用できる。モデルは, いくつかのパラメータによって特徴付けられる。それは例えば, 障害物の位置と無次元化されたパラメータRである。Rは以下の様に定義される。R≡(12ηL)/(ρaD^2)ここで, ηは粘性率, Lは障害物間の距離, aは音速, Dは平行平板の間隔である。Rはマグマに対しては10^<-3>から106, ガスに対しては10^<-2>と推定した。複数の障害物の影響, および入口における境界条件(流量一定, あるいは流体圧一定)の影響について特に調べた。出口の境界条件は一定圧力で0である。等間隔の3つの障害物がある場合を考えた。いずれの入口の境界条件に対しても振動する解を見つけた。人口において圧力が一定の場合(R〜1程度の時), 支配的な振動数は入口流量により変化する。それは, 流量の変化により階段的に変化する。通路内の圧力変化により生じた遠地における変位のスペクトルにピークを示す周波数の分布は一端開放のパイプの振動のそれと同様な分布を示す。人口において圧力が一定の場合においては, 支配的周波数は人口圧力の変化には鈍感である。それは, Rに関し単調に変化し, Rが大きくなるにつれ, 周波数は小さくなる。3つ以上の障害物がある場合において, 最大の臨界圧力を持つ障害物がシステム全体の振る舞いを支配する可能性について議論した。
- 日本地質学会の論文
- 1996-09-20
著者
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