古第三紀石炭の石炭化作用に及ぼす温度の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
筆者等は先に本邦古第三紀の主要炭田における炭質,埋没深度,構造,沸石の産状を検討し,石炭化作用を規制する主要因は,埋没続成時の地温勾配であると推論した(SHIMOYAMA and IIJIMA, 1976;下山・飯島, 1977)。すなわち大局的に見れば炭質と続成沸石帯はよく対応し,褐炭,亜瀝青炭は,II帯に,瀝青炭は,III帯に属することより推論される。石炭化作用は熱履歴つまり温度と時間に依存すると一般に言われているが,隆起時或いは隆起後(retrogressive)の石炭化度の進行は実際上は認められない。三井芦別においてはO〜-1,000 mの採掘深度の範囲で,虎皮層等特定の炭層の石炭化度は殆んど変化しない事から推論される。一方,局地的に見れば石炭化度は夾炭層の岩相に影響される。例えば三井砂川,三井芦別において,下位の炭層が必ずしも上位の炭層より石炭化度が高くない事は,前者が比較的厚い砂岩帯に夾有されていることで解釈される。
- 日本地質学会の論文
- 1978-11-30
著者
関連論文
- 古第三紀石炭の石炭化作用に及ぼす温度の影響
- 石炭化度と沸石帯の関係 : ダイアジェスシト
- 本邦第三紀炭と沸石続成作用との関係 : 堆積
- 石狩・樺戸・留萌各炭田における石狩層群の重鉱物組成について(予報)