一の目潟レルゾライト捕獲岩中のかんらん石
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概要
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レルゾライト捕獲岩の55〜85%を構成するかんらん石は3つの産状を示す:a)粗粒他形結晶,b)前者の間をうめる多角形の中粒結晶及びc)ざくろ石の分解により生じた輝石・スピネルシンプレクタイトを経て斜長石,かんらん石,スピネルの集合物になったものの中の小型自形結晶。35個のかんらん石について重量法と原子吸光法により化学分析をおこなった。その組成範囲はFo_<91.7>〜Fo_<84.0>殆んどのものはFo_<91.7>〜Fo_<88.0>である(平均Fo_<89.5>)。アルカリ玄武岩中のレルゾライト捕獲岩,およびキンバーレー岩中のざくろ石レルゾライト捕獲岩中のかんらん石組成の頻度分布を比較した。これらはいづれも同じような形のヒストグラムを示すが,レルゾライト捕獲岩中のかんらん石はややFaに富む(平均Fo_<90>とF_<92>)。従ってキンバーレー岩中のざくろ石レルゾライトの供給された地帯は,アルカリ玄武岩のレルゾライト捕獲岩がもたらされたと考えられるM-不連続面直下よりもMgに富む物質によって構成されているであろう。かんらん石中のNiとCoはMgの減少と共に急激に減少することは多くの研究者によって指適されている。しかし,Ni/CoはFo成分の増減に無関係に一定であり,またその比は地域によって異なるらしい。
- 日本地質学会の論文
- 1974-09-30
著者
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青木 謙一郎
Institute Of Mineralogy Petrology And Economic Geology Tohoku University
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柴 いく子
Institute of Mineralogy, Petrology and Economic Geology, Tohoku University
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柴 いく子
Institute Of Mineralogy Petrology And Economic Geology Tohoku University