韓半島南部陽南および浦項盆地の古環境変遷
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
韓半島南部の陽南および浦項盆地は最大の第三紀堆積盆地である。日本海南東縁にあたるこれらの堆積盆地における, 環境の変化のような地質事件は, 日本海の起源の問題と密接な関係を持っている。前期〜中期始新世には, 激しいデイサイト質火山活動がこの2つの盆地において起こり, 陸上で行われた活動は大量の溶結凝灰岩・火山角礫岩をもたらした。上部始新統〜漸新統は発見されず, これら地域は静穏で, かつ侵食地域であったと考えられる。前期中新世には, 激しい火山活動が陽南盆地に起こったが, 浦項盆地は静穏な陸域であった。陽南盆地の火山活動はデイサイトと安山岩・玄武岩のバイモーダルな活動を示し, 陸域でかつ大半は水中で行われた。当時陽南盆地には広大な湖が存在していたことがわかる。中期中新世には浦項盆地の全域にわたって海進が起こり, 陽南盆地ではいくつかの陥没盆地が発生した。中期中新世の海進は, Hataiarca, Vicaryaのような暖海生の軟体動物要素をもたらした。
- 日本地質学会の論文
- 1992-03-15