組成累帯クロムスピネルからみた青海蛇紋岩メランジュを構成する蛇紋岩の起源(<特集>飛騨外縁帯研究の進展と展望)
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概要
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飛騨山地,青海蛇紋岩メランジュを構成する超苦鉄質岩は著しく蛇紋岩化し,その起源や変成作用を明らかにするための情報に乏しかった.しかし,塊状のアンチゴライト蛇紋岩と,それに伴うクロミタイト脈から,初生的なCr/(Cr+Al)原子比(0.70-0.77)をコアに保持した組成累帯クロムスピネルと,包有物としての初生的なパーガス閃石(〜3.8wt.% Na_2O)を初めて見出した.蛇紋岩の源岩は変成作用を被っており,クロムスピネルのコアは低Mg#(0.20-0.43)で特徴づけられる.さらに,リムにおいて初生鉱物包有物のドロマイト化とTiの付加が部分的に認められる.これらの特徴から,青海蛇紋岩メランジュを構成する蛇紋岩は,沈み込み帯のマントルかんらん岩を起源とした低〜中程度の温度の変成かんらん岩が,より低温で蛇紋岩化したものと推測される.
- 2004-10-15
著者
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辻森 樹
スタンフォード大学地球環境科学教室
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辻森 樹
Department Of Geological & Environmental Sciences Stanford University
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辻森 樹
早稲田大学教育・総合科学学術院地球科学教室
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辻森 樹
スタンフォード大学
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