イットリャ石の結晶構造に關する一考察
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概要
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イットリャ石[(Y, Th)_2Si_2O_7]は通常塊状をなして産するから, まだその結晶系すら知られていない., 薄片を十字ニコルの下で観察すると常に暗黒である., X線寫眞を撮るとメタミクト態であることを示す., 筆者等は愛媛縣の米之野産及び福島縣の水晶山産のイットリャ石のX線粉末寫眞を撮ったところ, 若干の廻折環を観察した., 従ってこれ等の試料は完全にはメタミクト態ではないことを知った., イットリャ石はその化學組成から見て, トルトベ石[(Sc, Y)_2Si_2O_7]と結晶構造が同一ではないかと考えられるのであるが, 此所に得た廻折環はイットリャ石がトルトベ石とその格子常數, 空間群及び原子の位置が全く同じであると考えることにより誠に矛盾なく説明がつく., 從って, 筆者等はイットリャ石とトルトベ石とは, isomorphismの關係にあると考えている.,
- 日本地質学会の論文
- 1954-04-25
著者
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上田 健夫
Geological and Mineralogical Institute, College of Science, University of Kyoto
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西村 新一
Geological and Mineralogical Institute, College of Science, University of Kyoto