6., 朝鮮古第三紀層産化石フジバシデ屬
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概要
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朝鮮咸鏡北道古乾原古第三紀夾炭層産化石フジバシデ屬の苞の1種をEngelhardtia koreanica と命名せり。從來知られたる本屬の化石及び現生種の分布は興味あるものなり, 即ち本屬の化石として知られたる15種の大部分は南歐の第三紀層より産し, 僅かに4種が北米の古第三紀層に産出するのみ。然るに現生種15種の分布を見るに, 唯だ1種中部亞米利加に存在するのみにして他は皆東亞に産し, 東南亞細亞の颱風帶に生育す。故に今回東亞より本屬の化石の1種が産出せる事は古生植物地理學上に重要なる材料を提供せるものと云ふ可し。本標本は朝鮮總督府燃料選鑛研究所魚谷氏の採集に係り, 古乾原産の他の多數植物化石と共に京城の小平亮二氏の御好意により筆者に提供せられたるものなり。茲に記して感謝の意を表す。
- 日本地質学会の論文