剪断センス指標としての斜方輝石ポーフィロクラストと幌満かんらん岩体の運動履歴
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概要
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変形したカンラン岩中の伸長した斜方輝石ポーフィロクラストに発達した(100)離溶ラメラの内部非対称性は, 独立した剪断センスの指標となる可能性がある.統計学的にこの有用性を検証するために, 北海道・幌満カンラン岩体の異なる構造ユニットにおいて, XZ平面上での3つの幾何学的パラメータ(R : 伸長比, θ : 伸長方向, φ : (100)離溶ラメラ方向)を測定した.R-φおよび伸長比で階級分けしたθ-φダイアグラムに認められる非対称性は, 斜方輝石ポーフィロクラストの初期方位の違いによる(100)面上の転位すべりと剛体粒子回転の違いによって形成されたと考えられる.さらに, 信頼できる別の剪断センス指標であるカンラン石格子定向配列と比較することによって, 斜方輝石の剪断センス指標としての有用性が示され, より複雑な運動学的な履歴を読みとることが可能となる.
- 日本地質学会の論文
- 2001-02-15
著者
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後藤 健太郎
Tosa Mine Taiheiyo Cement Co. Ltd
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高木 秀雄
Department of Earth Sciences, School of Education
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澤口 隆
Department of Earth Sciences, School of Education, Waseda University