中部日本東濃地方, 土岐花崗岩中の割れ目解析
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概要
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中部日本東濃地方に分布する白亜紀後期の土岐花崗岩中の割れ目について, 露頭および鏡下での観察を行った.割れ目は開口および脆性・塑性変形帯といった形態的特徴を持ち, かつさまざまな鉱物によって充填されている.割れ目充填物には鉄酸化物, 絹雲母, 石英, 緑泥石, 緑れん石などの自生鉱物, および花崗岩起源と考えられる破砕された石英, 長石, 黒雲母粒子などがみられる.自生鉱物のうち, 絹雲母, 石英, 緑泥石, 緑れん石は花崗岩マグマの活動に伴う熱水性鉱物と考えられるが, 鉄酸化物はその産状から, 熱水性鉱物より後に地表から浸透した地下水により形成されたものと推測される.割れ目は花崗岩の脆性破壊によって形成されたものである.しかし一部には塑性変形を重複して被った割れ目も存在する.このような構造は脆性剪断割れ目に浸透した熱水による, 石英の加水軟化によって形成されたものと推定される.
- 2000-04-15