関東山地秩父帯・四万十帯の構造層序学的研究
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概要
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関東山地秩父帯南帯および四万十帯北帯に分布する中生代付加コンプレックスを, 前期ジュラ紀から後期白亜紀にかけて形成された15のユニットに区分した.それらの復元された海洋プレート層序から, 関東山地では, ジュラ紀全般(第I期)および後期白亜紀(第III期)の付加体が連続的に形成された時期と, 最後期ジュラ紀〜前期白亜紀の, 付加体形成の減衰の時期(第II期)が認められた.後者(第II期)は, 秩父帯付加コンプレックスと四万十帯付加コンプレックスの境界に一致している.また, 復元された海洋プレート層序は, 秩父帯および四万十帯付加体を形成した二つの異なったプレート(イザナギプレートおよびクラプレート)の沈み込みを示唆する.上述した付加の減衰は両プレートの沈み込みの変換期に起こった可能性がある.このように, 付加体の研究は, 中生代のアジア東縁のプレート運動史を考える上で, 重要な示唆を与えてくれる.
- 日本地質学会の論文
- 2000-12-15
著者
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高橋 修
Department of Astronomy and Earth Sciences, Tokyo Gakugei University
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高橋 修
Department Of Astronomy And Earth Sciences Tokyo Gakugei University