紀伊半島西部の御荷鉾帯および三波川帯泥質片岩の^<40>Ar/^<39>Ar全岩年代
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概要
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三波川帯飯盛ユニット(点紋帯)から得られた^<40>Ar/^<39>Ar年代73.0±0.8 Ma(2σ)は, 緑色片岩相の岩石が白雲母の閉鎖温度を通過した冷却時期に相当する.一方, 御荷鉾帯の2試料の^<40>Ar/^<39>Ar年代は, 96.4±1.0 Maと102.9±1.0 Ma(いずれも2σ)を示し, 両者には700万年の差がある.その理由として, 前者がより細粒な変成白雲母から構成されること, あるいは両者の主たる変成時期が異なっていたこと, などが考えられる.いずれにしても毛原ユニットと飯盛ユニットの主たる変成作用の時期は明らかに異なっていたと考えられる.毛原ユニットの年代スペクトラムは, 増大する脱ガスの間に見かけの年代が増大する特徴を示す.このような階段状の年代スペクトラムは, 放射起源の^<40>Arが一部損失したことを示すと解釈され, 毛原ユニットから200〜400 m離れて通過する有田川構造線の構造運動に影響を受けた結果とみなすことができる.
- 日本地質学会の論文
- 2000-10-15
著者
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栗本 史雄
Geological Survey Of Japan Geology Department
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ヨング K.
Geological Survey Of Japan Geology Department
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ガイザ P.
Department of Earth Sciences, Leeds University
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ガイザ P.
Department Of Earth Sciences Leeds University
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