飛騨山脈の花崗岩質岩についての放射年代測定-断層を挟んだ顕著な年代差
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概要
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飛騨アルプスに分布するいくつかの花崗岩類を対象にK-Ar法とジルコンを用いたフィッション・トラック法により放射年代を求めた.試料は, 北アルプスの顕著な断層の一つである黒部・高瀬破砕帯を挟んで両側から採取した.その結果, 断層の西側では約60〜55 Maの年代が得られ, 東側では約5 Maより若い年代が得られた.すなわち, 断層を挟んで大きな年代差があることがわかった.断層の西側の奥黒部花崗岩は60〜55 Maに約600℃から約240℃に急冷し, 断層の東側の金沢花崗閃緑岩は約5〜1 Maに約600℃から約240℃に急冷した.以上のことから, 断層を挟んで花崗岩質岩体の冷却史が大きく異なることがわかった.
- 日本地質学会の論文
- 1999-04-15
著者
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伊藤 久敏
Central Research Institute of Electric Power Industry(CRIEPI)
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田中 和広
Central Research Institute of Electric Power Industry(CRIEPI)