房総半島嶺岡帯西部のアルカリ玄武岩に取り込まれた砂岩の産状とそのテクトニクス上の意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
嶺岡帯,鴨川市峠においてアルカリ玄武岩溶岩中に噴出時に取り込まれたと考えられる砂岩を発見した.この砂岩はおもに,斜長石・ダトー石・石英・および珪長質火山岩片から構成され,ダトー石を除けば嶺岡層群神塚層または愛宕山層の砂岩の構成粒子の鉱物組み合わせに似ている.アルカリ玄武岩の活動場は,このような陸源性砂岩が供給されるような場であった事が明らかとなった.アルカリ玄武岩は,その産状と化学組成から,海山を構成していたと考えられるが,アルカリ玄武岩の噴出場と含まれている陸源性砂岩の堆積場は,おそらく海洋プレートと島弧もしくは大陸が会合する収束境界付近であった見込みが高い.アルカリ玄武岩の放射年代は,嶺岡帯のオフィオリティック岩体が本州弧側へ定置したとされる時代の直前であり,本論の結果と調和的である.本研究において嶺岡帯の形成過程を論じるにおいて新たな見地が得られた.
- 日本地質学会の論文
- 2002-11-15
著者
関連論文
- 嶺岡オフィオライトの起源
- A59 白亜紀太平洋プレート上で活動した若い火山活動 : 日本海溝・かいこう単成火山群
- A60 ハワイマントルプルームの化学的構造
- 房総半島嶺岡帯西部のアルカリ玄武岩に取り込まれた砂岩の産状とそのテクトニクス上の意義
- 嶺岡・葉山・瀬戸川帯に記録された後期白亜紀-始新世前期の海洋プレートと始新世後期-中新世前期の島弧火成活動(16.テクトニクス)
- O-318 日本海溝 130Ma 太平洋プレート上に発見された 6Ma 玄武岩と最上部マントル捕獲物質
- A58 日本海溝海側斜面から採取された新鮮なアルカリ玄武岩から推測される本州東方東経150度付近での火成活動
- 239 嶺岡帯に産する玄武岩の放射年代と化学組成
- O-6 房総半島嶺岡帯中央海嶺型玄武岩に発達する断層の活動履歴(1. オフィオライト,口頭発表,一般発表)
- P-155 Bangladesh, Sylhet地域の砂岩組成と砕屑性重鉱物 : ヒマラヤ上昇過程に対する制約(21. テクトニクス(液晶有),ポスター発表,一般講演)
- O-5 嶺岡帯アルカリ玄武岩の噴出場とその意義(1. オフィオライト,口頭発表,一般発表)
- P-149 砕屑物組成から見た房総半島南部周辺の前期中新世テクトニクス(21. テクトニクス,ポスターセッション,一般発表)