TMPT複合フィラーを用いた新しい光重合型コンポジットレジンの研究

概要

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フィラーにTMPTフィラー, モノマーにRDMAを用いた光による重合系のコンポジットレジンを試作し, 機械的性質を測定した.さらに牛象牙質での接着試験と適合性試験を行った.その結果, TMPTフィラーが30wt%入ったフィラーでブリネル硬さが最大となった.摩耗面は, TMPTフィラーが多い方が均一であった.しかし圧縮強さ, 吸水量, 熱膨張係数は, 無機含量を増すために混入したRM50の量に比例して優れた性質を示した.これは, 無機含量が増加してフィラーの分散状態が良好となりさらに光エネルギーの吸収効率が良くなったためと考えられた.また, モノマーとしてTEGDMA/RDMAを用い, フィラーとしてTMPTフィラーとRM50を用いたコンポジットレジンは, 残存モノマーが少なく良好な機械的性質を示したのでexperimental composite resinと決定した.牛歯での接着強さは, bonding agentを用いても2〜3MPaと低い値であった.これは, experimental composite resinの重合収縮により接着界面から破壊したためと考えられた.象牙質適合性試験では, bonding agentの利用によりgapの減少が認められたが, 不十分であった.しかしSuper Bondをbonding agentとすれば接着強さは向上しgapも大幅に改善されることがわかった.
1988-01-25