MMA-TBBO系レジンの象牙質への接着に関する研究
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概要
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一般に, スーパーボンドとして市販されているTBBOを触媒とした4-META/MMA系レジンは, 塩化第二鉄を含むクエン酸溶液で前処理することによって象牙質に強固に接着する.しかし, この強い接着力をもたらすメカニズム, 塩化第二鉄や4-METAの役割, あるいは長期の接着安定性などの詳細はいまだ明らかにされていない.象牙質片存在下におけるTBBOによる(4-META/)MMAの重合や, 酸処理した象牙質とレジン間の接着における塩化第二鉄の後処理の効果などの研究より, 次のようなことが推察された.(1)象牙質コラーゲンに吸着された塩化第二鉄により, MMAの重合が促進される.(2)4-METAの添加により生成するポリマーの分子量が増大する.(3)これら(1)及び(2)の複合効果により象牙質への強い接着力が得られる.また4-METAを含むレジンは4-METAを含まないレジンに比べ, 浸漬環境の変化を受け易いものと思われた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1991-01-25
著者
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