不飽和ポリエステル樹脂を基材とした歯科充填用レジンに関する基礎的研究 : 触媒, 促進剤および助促進剤の添加による操作時間, 硬化時間および最高発熱温度について
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概要
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レジン材料の宿命の一つに重合時の収縮があり, この収縮は窩洞との適合性に影響し, 辺縁の破折などの原因となっている.そこで, 本研究は, この欠点を改善するために重合収縮の少ないポリエステルをコンポジットレジンに応用して良好な諸物性を得た教室の研究を継承し, 未解明の操作時間, 硬化時間および最高発熱温度について, 触媒, 促進剤および助促進剤による良好な組成を検索したところ, 次の結論を得た.1.触媒, 促進剤および助促進剤の添加量が増加するに従って, 操作時間および硬化時間は減少する傾向を示し最高発熱温度は徐々に増大する傾向を示した.2.良好な操作時間, 硬化時間および最高発熱温度と思われる組成は, ポリエステルに収縮抑制材を38wt%添加したベースレジンに, 触媒1.0wt%, 促進剤0.50wt%および助促進剤0.02wt%添加したものであった.3.処理ガラスビーズ70wt%混入した試作コンポジットレジンは最高発熱温度57.0℃, 操作時間2.3分および硬化時間9分で, 市販コンポジットレジンとほぼ近い値を示した.
- 1989-05-25