歯科材料の生物学的評価法としてのコラーゲンゲル培養法の有用性(in vitro)
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概要
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コラーゲンゲル培養法がin vitroにおける歯科材料の生物学的評価法として有用かどうかを検討した.市販の酸化亜鉛ユージノールの組合せについて実験を進めた.そして, すでに諸規格にin vitroテスト法に採用されている, 類似の培養法である寒天重層法と比較した.まず, ゲル化していないコラーゲンは寒天と同じように各材料の細胞毒性発現に何ら影響をおよぼさなかった.しかし, ゲル化したコラーゲンゲルの材料成分の拡散をしらべると, 寒天ゲルへの拡散に比較して低い拡散性に終始した.以上の結果から, コラーゲンゲル培養法は, 材料の安全性評価のためのスクリーニングテスト法として寒天重層法に比較してその有用性は低いことが判明した.しかし, 細胞支持マトリックスとしてのコラーゲンがin vitroにおいて作り出す細胞培養環境は, 生体組織シュミレーション環境として好適であり, そこでのバイオマテリアルの生体適合性研究によって, 従来のin vitro研究では得られなかった情報収集の可能性が考えられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-07-25
著者
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