床用Co-Cr系合金の細胞毒性(in vitro) : 細胞回復度と荷重量の関係について
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概要
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荷重下における床用合金の細胞毒性をしらべるために, in vitroで7種の市販非貴金属合金, すなわち4種のCo-Cr系合金, 純Ti, 1種のNi-Cu-Ga合金, 1種のろう用Ni-Cr合金について実験した.5gf/cm^2および10gf/cm^2の2種類の静的荷重をL-929, HEp-2, Gin-1細胞の3種類の培養細胞に24時間加えた.細胞毒性度は細胞回復度およびタンパク定量にて評価した.一方で, Co, Cr, Niの3イオン存在下での荷重が細胞へおよぼす影響をしらべた.その結果, しらべた3種の金属イオンの影響が荷重により増大することが明らかとなった.市販合金に関しては, 4Co-Cr系合金ならびに純Tiで組成金属が溶出することなく荷重の増加にもかかわらず細胞毒性を示さなかった.それに対して, Ni-Cu-Ga合金およびろう用Ni-Cr合金では組成金属が溶出し, 荷重により細胞毒性が増大した.生体材料に用いられるバイオマテリアルは複雑な生体反応の影響を受ける.したがって, 生体におけるバイオマテリアルと組織間での諸現象を解明していく上でも複数因子の組合わせ実験の必要性は高い.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-09-25