加工容易な硬質レジンの重合法の研究 : マイクロ波加熱重合法による硬質レジンの歯科理工学的性質について
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概要
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本研究は, 操作性が簡単で, しかも強度の大きい硬質レジンの成型法として, マイクロ波加熱を利用することを考えた.そして, マイクロ波加熱法用の硬質レジンを試作し, 歯科理工学的性質(圧縮強さ, 曲げ強さ, 圧裂引張り強さ, 硬さ, 重合収縮率, 熱膨張係数)を検討したところ, 以下の結論を得た.1)マイクロ波加熱法は, 従来の加熱重合法より短時間で重合し, 操作時間も大幅に短縮された.2)マイクロ波加熱法による硬質レジンのベースレジンは, 2PAとdiluent 3Gの混合で, 混合量は圧縮強さ, 曲げ強さ, 圧裂引張り強さの結果よりdiluent 3Gの混合量30wt%が良好であると推定された.3)2PA-3G系ベースレジンに配合するフィラー量の影響は, 圧縮強さ, 曲げ強さ, 圧裂引張り強さでは200〜230グラムで最も効果的であった.また, 硬さや重合収縮率は230グラムで最も効果があり, 熱膨張係数はフィラーの重量が多くなるにしたがって小さくなる.4)マイクロ波加熱法による成型した試作硬質レジンは, 従来の加熱重合法や光重合法の硬質レジンと比較しても遜色ない.
- 1989-09-25