ジルコン-正りん酸を用いた歯科迅速鋳造法の開発に関する研究
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概要
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すぐれた耐熱性, 大きい熱伝導率, 小さい熱膨張係数などの耐熱衝撃性を有するジルコン(ZrSiO_4)に着目し, 埋没から乾燥, 脱〓, 予熱, 鋳造を短時間で行う迅速鋳造法への応用を試みた.弱酸性酸化物であるジルコンと, ジルコンに対して安定である低濃度の正りん酸溶液を用いて, 耐熱衝撃性にすぐれたコーティング用埋没材を試作し, 粒度配合, 混液比, 流動性, 硬化時間, 硬化膨張, 熱膨張, 熱分析, 生型および焼成強さなどを調べた.最終的には次の組成のジルコンスラリーが選ばれた.[table]正りん酸水溶液混液比0.1正りん酸は, スラリーの流動性と操作性を向上させる働きがあり, その結果小さい混液比で使うことが可能となった.コーティングした後, コーティング層は熱衝撃によって乾燥, 焼結, 脱〓を行う.この熱衝撃は, 温風乾燥(50℃, 5分), 熱衝撃(900℃, 3分), 再乾燥(220℃, 3分), 脱〓(550℃, 3分)の4ステップからなる加熱が必要であった.上述のジルコンスラリーと熱衝撃法を用いて, 純チタンおよびK-メタルの小型試片の迅速鋳造に成功した.その際, 鋳造体の寸法は, 二次埋没材の影響を受け, 膨張量の大きい二次埋没材を用いると, 補償不足値は0に近付いた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1990-03-25
著者
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