グラスアイオノマーセメントの崩壊, 溶出に関する研究 : 接水開始時期がカルシウム, アルミニウムおよびケイ素の溶出量に及ぼす影響
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概要
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グラスアイオノマーセメントの崩壊機構を検討する目的で, 蒸留水中および生理食塩水中に浸漬したグラスアイオノマーセメントからの主として硬化反応に関与する粉末構成元素の溶出量を測定した.そしてとくに, 接水開始時期の影響について検討した.グラスアイオノマーセメントの合着用3製品および充〓用3製品を使用し, 凝固時間, セメント練和開始より10分後, 30分後, 60分後および24時間後に接水開始した.セメント試験体は蒸留水および生理食塩水各30ml中に浸漬し, 1週間後に各溶液中のCa, AlおよびSiの溶出量を原子吸光分光光度計によって測定した.その結果, 生理食塩水中へのCaの溶出が凝固時間接水で最小となったことを除いて, 一般に各元素の溶出量は凝固時間における接水で最も多く, 接水開始時期の遅延とともに減少する傾向を示した.グラスアイオノマーセメントの構成元素として, Caが含まれずSrが含有されている製品があった.本実験の結果から, グラスアイオノマーセメントの臨床使用に際し, 30分間程度の防湿が必要であることが示唆された.
- 1990-05-25
著者
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