バルビツル酸誘導体を重合開始剤とするレジンによる象牙質の接着に関する研究
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概要
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バルビツル酸誘導体を用いた2種類の重合開始剤によるMMA系レジンの象牙質への接着を検討した.1, 3, 5-トリメチルバルビツル酸(TMB)または5-ブチル-1-メチルバルビツル酸(BMB)をアセチルアセトン銅(CAA), ビニルベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド(VB14)と組合せ, 象牙質前処理液と親水性プライマーを用い, 接着における効果を検討した.CAAはMMAの重合と接着に大きな効果があり, CAAが0.0005〜0.003%の時, 特に効果があった.BMB, CAA, VB14系の重合開始剤では, 10%リン酸あるいは10%クエン酸により前処理した象牙質にCAAを含むHEMAプライマーを用いてMMA/PMMAレジンを接着した場合, 最大で13〜14MPaの接着強さが得られた.この値はTBBOを重合開始剤とする4-META-MMA/PMMAレジンで得られるものと同等であった。過酸化ベンゾイル(BPO)/アミン系重合開始剤にBMBを添加した場合, 象牙質とMMA/PMMAの接着強さは向上し, 象牙質表面に銅イオンを吸着させた場合にはさらに接着強さが向上した.今回用いた二つの系での銅塩の接着における重要な役割は, 接着界面からのMMAの重合開始というメカニズムによるものと考えられる.
- 1992-01-25
著者
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