歯科用傾斜機能材料の研究 : チタン-アパタイト, チタン-ジルコニア傾斜材の強度特性
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概要
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単一部品内で組成及び組織を傾斜させ, 各部位に応じて機能を変化させる歯科用傾斜機能材料の作製を試みた.シリコーンゴム型にチタン, パラジウムの金属粉末とアパタイト, ジルコニアのセラミックス粉末を配合して濃度を連続的に変えながら充〓し, CIP(冷間静水圧)によって400MPaまで加圧した後, 成形体をアルゴンガス雰囲気中の高周波誘導加熱によって1, 300℃に加熱・焼結して試験体を作製し, 強度特性試験ならびにSEMによるミクロ組織観察を行い, 強度特性との関連を調べた.チタン-セラミックス焼結体では, セラミックス量とともに, 曲げ強さとたわみは低下したが, 弾性率と見かけ密度はチタン量95%前後で極大値を示した.曲げ強さは圧縮強さの約40%, 引張強さの約2倍であった.圧縮試験では十分な塑性歪を示し延性を呈したが, 曲げ試験では脆性破断を示した.同一含有量のアパタイトとジルコニアを比較すると, 強さには差がなかったが, 弾性率や破断までの歪には差が認められた.チタン-アパタイト系にパラジウムを添加することによって焼結性は向上し, その効果はアパタイト濃度が高い場合ほど大きかった.板またはコイルの芯材を埋入することにより, 曲げ強さは1.5倍, 弾性率は1.8倍となった.均一材での特性試験後, 一端を純チタンにし, 順次セラミックス含有量を増しながら, もう一端は50%含有材とした円柱型, インプラント型, 角柱型の各種傾斜機能材料を作製した.微小硬さ試験によって組成濃度の勾配に比例した硬さの傾斜が確認できた.
- 1993-09-25
著者
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