歯科材料の熱的性質に関する研究 : 6.光硬化型グラスアイオノマーセメントの熱的性質

概要

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光硬化型グラスアイオノマーセメント(光硬化型)の熱的性質を検討するために, 市販されている光硬化型4種類(XR IONOMER:XRI, FUJI LINING LC:FLL, VITREBOND:VTB, FUJI IONOMER TYPE II LC:F2L)を用いて測定を行った.粉液比は製造者指示のものと, それから粉末量を20%増減させたものとの計3条件とした.測定はクセノン・フラッシュ法にて行った.その結果, 以下のことが判明した.製造者指示粉液比での光硬化型の熱拡散率(×10^<-2>cm^2s^<-1>)は, XRIでは0.190, FLLでは0.184, VTBでは0.170, F2Lでは0.215で, 比熱容量(Jg^<-1>K^<-1>)は, XRIでは1.171, FLLでは1.125, VTBでは1.160, F2Lでは0.988で, 熱伝導率(Wm^<-1>K^<-1>)は, XRIでは0.423, FLLでは0.387, VTBでは0.390, F2Lでは0.446であった.光硬化型の密度, 熱拡散率および熱伝導率は, 粉液比の増加によって大きくなり, 減少によって小さくなった.比熱容量は上記と逆の傾向を示した.光硬化型は, 従来型と比較して熱伝導率が約20〜40%小さく, 熱の遮断性が高いことが示唆された.
日本歯科理工学会の論文
1994-03-25