金属とレジンの接着耐久性に及ぼすレジンセメントの影響
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概要
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歯科用レジン接着剤の進歩は著しいが, 金属とレジンとの接着物の耐久性は十分とはいい難い.接着物の耐久性に影響を及ぼす一因として, 接着にかかわる材料の熱膨張係数の差により生ずる応力が考えられる.本研究では接着耐久性に及ぼすレジンセメントの影響を明らかにするため, 本研究で新たに試作したレジンを含む4種のセメントを用いて, チタンおよび金銀パラジウム合金とアクリル棒またはステンレス棒との接着を行い, 水中で熱ストレスを加えたときの接着強さの変化およびレジンセメントの性質について検討した.熱膨張係数の大きく異なるアクリルレジンと金属との接着では, 金属同士の場合に比べ, 接着耐久性が大きく低下した.接着耐久性はセメントによってかなり異なり, 弾性率の大きなコンポジットレジン系セメントの耐久性が最も劣っていた.弾性率, 吸水率が比較的小さな試作したフッ素系レジン(G801/MMA-TBB)の耐久性が最も優れていた.試作レジン硬化物のDSC分析およびポリマーの分別とその赤外吸収スペクトル分析結果から, 硬化物はPMMAおよびフッ素系ポリマーG801とPMMAのブロックポリマーから成っていることが推定され, このような構造, 組成が優れたセメント強度, 接着耐久性と関連している可能性が示唆された.
- 1995-01-25
著者
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