象牙質の接着におけるフッ化物の効果
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概要
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長期耐久性および抗齲蝕性を兼ね備えた象牙質接着剤の可能性を探索するため, MMA-TBB系レジンを用いて接着を行った場合におけるフッ化物の効果を検討した.トータルエッチングが可能な10%リン酸水溶液で前処理した象牙質に対して, フッ化ナトリウムを含む2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)水溶液プライマー, あるいはフッ化物またはフッ化物含有ガラス粉末を添加したレジンを用いて長期水中浸漬試験を行った.対照のフッ化物無添加群の接着強さは, 浸漬期間の延長に伴って低下したのに対して, フッ化物添加群においては1年間に渡って優れた安定性を示した.比較のためフッ化物を含むグラスアイオノマーセメント(GIC)の接着についても同様に検討した.GICの接着強さは低かったものの, 6ヵ月まで有意差は認められなかった.フッ化物を用いたMMA-TBB系レジンとGICの接着は, 象牙質界面が長期的に安定しているという点で共通しており, フッ化物の効果によるものと思われた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1996-01-25
著者
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