MMA-TBBレジンの象牙質への接着における非イオン界面活性剤の役割
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概要
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FeCl_3を3%溶かした10%クエン酸水溶液(10-3溶液)で前処理した象牙質を水洗, 乾燥後直ちにMMA-TBBレジンを接着すると8.0MPaの接着強さしか得られないが, 3分間非イオン界面活性剤, poly(ethylene glycol)p-isooctylphenyl ether(TX), の0.02%水溶液に浸漬すると, 13.8MPaの接着強さで接着できるようになった.さらに接着方法を簡略化し, 10-3溶液で処理後直ちに0.02%TX水溶液に40秒間浸漬し乾燥した象牙質には, 12.4MPaの接着強さで接着できた.TXが10-3溶液で前処理した象牙質のMMA透過性を向上させ, その結果, 象牙質表層部に樹脂含浸象牙質が生成することをSEM観察により確認できた.このようにモノマーの性質と同様に, 象牙質のモノマー透過性も, 象牙質表層部に樹脂含浸象牙質を生成させ, レジンを象牙質に接着させる上で重要であることがわかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1996-11-25