α型リン酸三カルシウムとキトサンおよびアルギン酸塩を複合した骨補填材の理工学的性質と生体適合性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
α型リン酸三カルシウム(α-TCP)とキトサンまたはアルギン酸塩から成る基材に硬化剤を加えて練和し, 賦形性および難溶性, さらに生体吸収性などが期待される骨補〓材を考案した.キトサン系およびアルギン酸塩系骨補〓材はともにα-TCPまた硬化剤の増加により, 圧縮強さが増加し, 硬化時間が短縮した.生理食塩液中では両材とも試料の形状は保持され難溶性であり, 圧縮強さは浸漬直後よりいずれも経時的に低下した.骨埋入試験では, キトサン系骨補〓材の周囲組織に中等度の炎症性反応がみられた.しかし, 骨補〓材の吸収性およびその骨化は良好であった.一方, アルギン酸塩系では炎症性反応が軽度であり, また, 骨補〓材周囲の骨形成も早かったが, 被包化の傾向にあった.両材はともに理工学的にみて使用が可能であり, キトサン系はその骨化が速く, より有望と考えられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1997-11-25
著者
関連論文
- α型リン酸三カルシウムとキトサンおよびアルギン酸塩を複合した骨補填材の理工学的性質と生体適合性
- 次亜塩素酸ナトリウムを用いたアルジネート印象用消毒・固定兼用液 : 印象の寸法安定性およびセッコウ模型面粗さの検討