クエン酸で脱灰された湿潤象牙質への接着
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概要
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湿潤象牙質への接着を解明するため, 10%クエン酸水溶液(10-0)または10%クエン酸・3%塩化第二鉄水溶液(10-3)で脱灰された象牙質に, 4-METAのアセトン溶液プライマーを塗布後, MMA-TBB系レジンでアクリル棒を接着した.残留脱灰象牙質を検出できるミニダンベル型接着試料を作り接着強さを測定した.湿潤10-0脱灰象牙質へMMA-TBBレジンを接着した場合5.7MPaであるが, 4-META/MMA-TBBレジンを用いると11.9MPaと接着強さは有意に向上した.湿潤10-3脱灰象牙質に, MMA-TBBレジンを用いた場合には14.2MPa, 4-META/MMA-TBBレジンでは18.9MPaの値が得られた.特に10-3で脱灰された湿潤象牙質へ4-META/MMA-TBBレジンを接着した試料では, 残留脱灰象牙質のない良好な樹脂含浸象牙質が生成されていることが確認され, この接着は耐久性を期待できる.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1997-11-25
著者
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