歯科用金属とメタクリレート系レジンとの接着に関する研究 : 金属表面への機能性モノマーの電着について
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概要
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本研究は, 歯科用金属表面に接着性基を有する機能性モノマーを通電によって吸着させ, 歯科用メタクリルレジンとの接着を図ることを目的とした.すなわち, 金属表面への機能性モノマー, β-メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート(SA)の吸着状態の分析を行うとともに, 処理条件を変化させて処理した歯科用金属とレジンとの接着強さについて検討した.その結果, 次のことが判明した.金属表面には機能性モノマーが電着され, カルボキシレートイオンとなってイオン結合を形成する一方, メタクリル基の二重結合は未反応のままであった.処理した歯科用金属, 12%金銀パラジウム合金, コバルトクロム合金およびチタンと常温重合型メタクリルレジンとの接着強さの最大値は, それぞれ9.1, 11.0および8.0MPaを示した.大きな接着強さが得られる処理溶液濃度-処理溶液濃度-処理電流は金属の種類によって異なることが示唆された.
- 1998-05-25