リン酸でエッチングされた象牙質への接着 : エッチング後の乾燥により収縮した脱灰象牙質へのプライマーの効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
リン酸処理象牙質にレジンを確実に接着させる方法を見出すことを目的としてプライマーを検討した結果, リン酸エッチング後の乾燥により収縮した脱灰象牙質にPhenyl-Pを1%溶解した30%HEMA水溶液(1P-30H)をプライミング後, HEMAをプライミングすることによりレジンを安定して接着できた.すなわち, ダンベル型の象牙質接着試料を用いた引張試験により, 1P-30Hでプライミング後ただちにTEGDMAボンディング材を接着させた場合には4.1MPaであった接着強さが, HEMAによるセカンドプライミングを追加すると17.2MPaと有意に向上し, 破断形態も界面剥離からレジンの凝集破壊に変化した.さらに, これらの接着界面の象牙質側に樹脂含浸象牙質が生成しており, その底部にはレジンで包埋されたハイドロキシアパタイトが存在することがSEM, TEM観察により確認された.
- 1998-11-25
著者
関連論文
- リン酸処理象牙質への接着におけるPhenyl-P/HEMAプライマーの効果
- リン酸でエッチングされた象牙質への接着 : エッチング後の乾燥により収縮した脱灰象牙質へのプライマーの効果
- 接着前処理過程における象牙質表面の変化 : 原子間力顕微鏡による観察
- AFMとSEM観察によるボンディングプライマーの機能解析
- リン酸でエッチングされた象牙質への接着 : エッチング後の乾燥により収縮した脱灰象牙質へのプライマーの効果