新規光硬化型セルフエッチングプライマーによる歯質一回処理接着システムの開発
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概要
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ボンディング剤を塗布せず,直接コンポジットレジンと歯質とを接着させるために,新規光硬化型セルフエッチングプライマー(光硬化型プライマー)を開発した.光硬化型プライマーの成分はMDP/HEMA水溶液に水溶性光増感剤QTXを配合して試作した. 低粘度のコンポジットレジンと充填用コンポジットレジンとを積層充填したとき,エナメル質で約16MPa,象牙質で約13MPaの接着強さが得られた. 光硬化型プライマーにアミンと水溶性ジメタクリレートを配合すると接着強さは向上した.MDP/HEMA/QTX/ジメチルアミノ安息香酸エチル/水溶性ジメタクリレートからなる接着性光硬化型プライマーを用いると充填用コンポジットレジンとエナメル質で約13〜15MPa,象牙質で約10〜14MPaの接着強さが得られた.SEM観察では,象牙質とコンポジットレジンとの接着界面に樹脂含浸層が形成され,エナメル質,象牙質のレジンタグが認められた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1999-05-25