クラウンの合着に関する力学的研究 : クラウン軸面の厚さの影響
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概要
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均一な厚みの軸面を持つクラウンを作製して,荷重負荷時の変形をひずみゲージを用いて解析し,軸面金属の厚みが歯科補綴物の剛性と合着セメント層の破壊強度におよぼす影響を調べた.その結果,試適状態よりもセメント合着をした方が辺縁部のひずみは小さくなり,セメント合着により支台とクラウンが一体構造となり,荷重によるクラウンの変形が抑制されることがわかった.またクラウンをセメント合着した状態では,クラウン軸面の金属の厚さが0.3mmではセメント層の破壊が比較的容易に生じるが,金属の厚みを増すとともにクラウン辺縁部の変形は小さくなり,セメント層に破壊が生じる荷重も増加した.しかし金属の厚さが0.7mm以上になると,強度の増加は顕著ではなくなった.したがって歯科補綴物の設計においては,セメント層の破壊を防止するためにクラウンの剛性が十分大きくなるように配慮し,軸面金属の厚みが0.7mm程度あることが望ましい.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1999-11-25
著者
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