Down症候群由来細胞における各種小児歯科用材料の細胞毒性について
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概要
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Down症候群は,常染色体異常のなかで最も多い疾患である.近年,障害者介護技術の進歩に伴って平均寿命が増加し,Down症候群患者に対する歯科材料の細胞毒性レベルにおける感受性を知る必要性が増していると考えられる.しかし,臨床現場で歯科材料を選択する場合に基準となる生物学的基礎データがほとんど皆無である.そこで,Down症候群皮膚由来線維芽細胞様細胞(Detroit 539)と健常者皮膚由来線維芽細胞様細胞(HUC-F)を用いて,根管充填材,覆髄剤および根管治療剤の細胞毒性レベルを単層培養法およびType 1コラーゲンゲルによる3次元培養法を用いて検討した.その結果,Detroit 539はHUC-Fに比べてほとんどの材料で弱い細胞毒性を示し,両細胞の細胞増殖度の違いがその原因として考えられた.単層培養法での50%阻害濃度(IC_<50>)および3次元培養法でのcell viabilityは,両細胞間で相関性が示されたことから,Detroit539を用いた細胞毒性試験の有用性が示唆された.
- 日本歯科理工学会の論文
- 2002-03-01
著者
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