80Ni-20Cr合金の流動性に及ぼすCo, Mo, Cu添加の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ニッケルクロム合金は流動性が悪いため, 鋳造し難い合金として知られている.ニッケルクロム合金と称して市販されている合金には, コバルトやモリブデン, 銅などの金属が含まれている.しかし, 流動性を及ぼすこれら添加金属の効果は不明である.このため, 元素を添加したニッケルクロム合金の鋳造性を調べるため本研究を行った.80Ni-20Cr二元合金をアルゴン雰囲気中で溶製し, コントロール用合金とした.80Ni-20Cr二元合金にコバルトあるいはモリブデン, 銅をそれぞれ5, 10, 15%単独に添加した合金を溶製し, 実験用材料とした.円筒コイル形の鋳型空洞内に合金を鋳造することによりその合金の流動性を評価し, 溶湯が凝固する前に鋳型空洞内を流動する能力を調べた.ニッケルクロム合金の流動性は, コバルトあるいは5%までのモリブデンの添加により変化しないことが分った.しかし, 銅の添加あるいはモリブデンの濃度が5%を越えたとき流動性は減少した.以上のことから, 鋳造性の点からは, 多重のモリブデンあるいは銅をニッケルクロム合金に加えるべきではない.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-03-25
著者
関連論文
- 埋没材の流動性 : (第1報)試験装置
- B-17 埋没材の流動性 : (第1報)試験装置
- 80Ni-20Cr合金の流動性に及ぼすCo, Mo, Cu添加の影響
- A-12 80Ni-20Cr合金の流動性に及ぼすCo, Mo, Cu添加の影響
- 鋳造用Ni-Cr-Cu合金の諸性質
- B-7 鋳造用Ni-Cr-Cu合金の諸性質
- 80Ni-20Cr合金による引張試験片の鋳造