過酸化水素処理したチタン表面への接着性レジンの接着
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概要
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チタンを過酸化水素溶液に浸漬して酸化処理を行い,レジン系シーラントと3種類の接着性レジンを接着させ,浸漬時間とチタンの色調変化,接着強さ,破壊靱性との関係について検討し,走査型プローブ顕微鏡により表面観察を行った.その結果,以下の結論が得られた.1.チタンは,浸漬時間が長くなるほど明度が減少し,茶色を帯びる傾向を示した.2.チタンにレジン系シーラントを接着させた場合,60分間の浸漬により最大の接着強さが得られた.3.60分間処理したチタンに接着性レジンを接着させた場合,処理しない場合よりもすべて大きな接着強さが得られた.4.チタンの表面は,30分,60分間浸漬では,酸化膜と思われる微細な凹凸の形成が認められた.120分間浸潰では微細な凹凸は消滅していた.接着強さの向上は,チタンの酸化膜の細かい凹凸部へのレジン接着材の侵入による投錨効果が重要であると考えられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 2004-10-25
著者
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