中国地方中央部の新生代玄武岩の組成帯状構造
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概要
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中国地方中央部には8つの新生代玄武岩の火山群(各々の直径が20-30km)が分布する.個々の火山群内の岩石は化学組成や産状が類似している.さらにこのような類似性は島弧の伸びの方向(およそ東西方向)にも認められ,それらに基づいてこの地域を3つのゾーン(南から山陽,脊梁,山陰)に分けることができる.初生的な玄武岩の組成は北のゾーン(背弧側)に向かってアルカリ岩からサブアルカリ岩へと変化する.また同時期の安山岩の活動は山陰に限られ,両者をふくめた噴出量は背弧側に向かって指数関数的に増大する.このような帯状構造は玄武岩がマントルダイアピルからら分離する深さが背弧側ほど浅くなっていることで説明できる.玄武岩の活動開始時期(中期中新世)を考慮すると,これらの大成活動は日本海の形成に伴うマントル物質の湧昇によって引き起こされたと考えられる.
- 特定非営利活動法人日本火山学会の論文
- 1989-07-25