鋳造用リングライナーに関する研究XV : 埋没材の熱膨張に対する緩衝効果
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概要
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温度変化環境下における形状変化解析システムを用いて,ステンレススチールリング内での埋没材の熱膨張によるライナーの厚さの変化を室温から700℃まで測定した.ライナーはセラミックファイバー系5群(A群:ロックウール系,B群:セラミックファイバー低温系,C群:セラミックファイバー標準系,D群セラミックファイバー低温〜標準系,E群:カオリン系)からそれぞれ1種類ずつ用いた.併せて,埋没材およびステンレススチールの熱膨張率を熱機械分析装置(TMA)で測定し,ライナー自体の熱分析(TG/DTA)も行った.これらの測定結果から,リングにライナーを内張りしたときの埋没材の熱膨張率を求め,埋没材の熱膨張に対するライナーの緩衝効果について検討した.ステンレススチールリングが埋没材の熱膨張を抑制する温度域は,220〜700℃であった.ライナーの厚さは,埋没材の熱膨張によって300から340℃で大きく減少し,その後700℃でほぼ元の厚さに回復する傾向が見られた.本研究で用いたライナーの700℃での埋没材の熱膨張に対する緩衝効果は,71.3〜105.3%を示した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 2004-07-25
著者
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