リン酸で前処理された湿潤歯質への4-META/MMA-TBBレジンの接着
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概要
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エナメル質, 象牙質を同時に前処理して接着させるシステムの開発を目的に, リン酸水素カルシウムを溶解したエッチング剤による湿潤脱灰象牙質のモノマー透過性は高いとの仮説をたて, 本研究は行われた.3%リン酸水素カルシウムを溶解させた10%リン酸(実験群)でウシエナメル質, 象牙質を10秒間脱灰し, 乾燥させずに5%4-METAアセトンプライマーを60秒間3回塗布後, 4-META/MMA-TBBレジンを接着した.実験群のミニダンベル型象牙質接着試料はレジンの凝集破壊を示し, 引張接着強さは25.0MPaと比較群(14.6MPa, 混合破壊:10%リン酸)に比べ有意に高かった(p<0.01).エナメル質への引張接着強さはISOが推奨する方法で両群とも約12MPaであった(p>0.01).比較群の被着体は脱水されにくいが, 実験群ではNaOClに耐久性のある樹脂含浸象牙質の形成が確認され, この接着は長期安定性を期待できる.
- 日本歯科理工学会の論文
- 2000-09-25
著者
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