アマルガムの腐食に関する研究 : 組成金属の溶出量による検討
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概要
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従来型および高銅型球状合金の腐食について, 銀, 錫, 銅および水銀の溶出量を, 原子吸光分光法によって測定した.実験条件として, A)溶液の種類, B)浸漬時間, C)保留温度の3要因にそれぞれ3水準を設定した.その結果, 両アマルガムとも銀, 水銀の溶出傾向が一致し, またγ_1相の組成に近い重量比で銀, 水銀が溶出したが, γ_1相の比よりもやや小さく, γ_1相から溶出した水銀の20〜40%が再吸収されることが示された.従来型アマルガムからは, 多量の錫が溶出したが, γ_2相に相当する量の水銀は全く検出されず, γ_2相の水銀は, ほとんど再吸収されることが示唆された.高銅型アマルガムからは, η′相の組成に近い重量比で錫, 銅が溶出した.銀, 錫, 銅の溶出量から算出すると, γ_2相はγ_1相の約8.5倍, η′相はγ_1相の約2.2倍腐食されることが示された.影響要因は, γ_1相には時間と温度, γ_2相には溶液と時間, η′相にはすべてが有意であった.
- 1983-09-25