CO_2レーザー照射によるhydroxyapatiteの分解生成物とその骨組織反応
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概要
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エネルギー密度300J/cm^2〜24000J/cm^2のCO_2レーザーを合成hydroxyapatiteに照射し, その分解生成物をX線回折および化学分析法により検討した.また, この分解生成物の生体親和性を検討する目的で, 200メッシュ以下の微粉末として, これをラット脛骨髄内に埋入し1〜5Wの組織反応を調べた。300J/cm^2〜800J/cm^2の照射では, 分解は認められなかった.800J/cm^2で分解が始まりα-TCPならびにβ-TCPが生成した.3200J/cm^2以上では, hydroxyapatite, α-TCP, β-TCPの生成量は, ほぼ一定で, hydroxyapatiteは約75%(wt%), α-TCP21%, β-TCP4%であった.これらの分解生成物(lased apatite)のCa-溶解量は, 4〜5倍に増大することがわかった.またラット脛骨に埋入したlased apatiteの周囲には, 1Wから活発な骨形成がみられ, 粒子をとり囲むように全面に新生骨がみられた.埋入後4Wで骨吸収と皮質骨に接した部分の緻密骨化がみられた.hydroxyapatiteとlased apatiteとでは, その骨組織反応に大きな差異は認められずに, 共に良好な骨親和性を示すことがわかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1984-01-25