各種修復材料の人歯と牛歯に対する接着力(補遺)
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概要
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ヒトの抜去歯に代わる接着試験用被着体として, 牛歯の有用性を検討するために牛歯のエナメル質および象牙質に対する各種修復材料の接着強さを調べ, これらを人歯に対する値と比較検討し, さらに接着試験に用いた歯牙のCa濃度を分析測定した.得られた知見は次の如くである.1)牛歯エナメル質および象牙質表層に対する接着強さは人歯のそれとほぼ同様の値を示し, 両者の間に統計学的な有意差は認められなかった.2)接着性コンポジットレジンにおいて人歯のエナメル質に高い接着強さを示したものが必ずしも象牙質において高い値を示さなかったが, 牛歯ではエナメル質に大きな接着強さがみられた場合, 象牙質においても高い値を示した.3)Ca濃度と接着強さの間に相関性が認められた.4)接着試験に用いる牛歯としては成熟した牛で歯牙長が40mm以上のI_1とI_2が望ましく, そのエナメル質および象牙質の表層を被着面として用いるべきである.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1984-01-25